めまいに効果的な薬 漢方薬

めまいの漢方治療

2018/09/18

 

更年期めまい、不動性ふわふわめまい、回転性ぐるぐるめまい、動揺性ぐらぐらめまい、メニエール、良性発作性頭位めまい、突発性難聴、前庭神経炎、しつこい耳鳴り……などなど。

内耳性めまいは肉体的にも精神的にも、かなりつらいもの。
発作が起きたとき、発作が起きないようにするために、どうしても薬の力を借りなければなりません。

めまい治療に使われる西洋薬

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めまいに使われる西洋薬は、たくさんの種類があります。
下は、ほんの一部です。

◇抗めまい薬◇
メシル酸ベタヒスチン《メリスロン》
ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン《トラベルミン》

ジメンヒドリナート《ドラマミン》
塩酸ジフェニドール《セファドール》

塩酸イソプロテレノール《イソメニール》

◇ステロイド薬◇
コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム《ソル・コーテフ》
プレドニゾロン《プレドニゾロン プレドニン》
ベタメタゾン《リンデロン》
メチルプレドニゾロン《メドロール》

◇脳循環代謝改善薬◇
イブジラスト《ケタス》
カリジノゲナーゼ《カリクレイン カルナクリン》
アデノシン三リン酸ニナトリウム《アデホス》

西洋薬以外に漢方薬も、よく使用されます。
西洋薬と合わせて、あるいは漢方薬単独で。

漢方薬は効き目が鈍いとよく言われますが、自分の体質に合ったものを飲めば、西洋薬に劣らない効果を発揮します。

この記事では、そんな漢方薬について、めまい治療に役立つように説明していきたいと思います。

東洋医学と西洋医学の違い

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西洋医学は、生理学や解剖学などの科学的な見地から人体を捉えます。
いろいろな検査を行い、客観的なデータをもとに診断する。

そして病名が確定すれば、単一成分で生成された合成品――西洋薬を使用して治療する。

効き目は鋭いですが、副作用も多く、対処療法になりがちです。

東洋医学は人体を「全身が関連する一つの有機体」として捉えます。

病気になれば、それが局所的な問題か、全身のバランスの乱れが原因になっているのか、という複眼的な視点で病因を追求する。

四診(望診・問診・聞診・切診)により、局所的ばかりでなく全体的に診察します。

*望診(ぼうしん)――患者の容姿や動作から、顔色、皮膚、舌などを観察する。

*問診(もんしん)――患者の病歴、自覚症状や訴え、医師からの質問に対する答えなど、で診断。

*聞診(ぶんしん)――患者の声のはりや様子、問いかけに対する応答、口臭や体臭、排泄物の臭い、など聴覚と嗅覚による情報収集。

*切診(せつしん)――実際に患者の体に触れ、脈を診る「脈診」、腹部に触れて診る「腹診」など。

そして「証(しょう)」と呼ばれる、身体の状態や体質を総合的に評価した診断結果を立てます。

臨床経験をもとに病状を判断するので、漢方薬などを処方してもらう場合、医師の経験値・力量により、効くか効かないかの差が出てくる。

東洋医学では、検査で異常が現れない不定愁訴(ふていしゅうそ)――西洋医学的に言うと自律神経失調症も治療対象になる。

不定愁訴でも自己治癒力を高めることで改善できる、という考えが基本。

複眼的な視点で病気を見つめ、それぞれの人の症状に合わせたオーダーメイド治療ができる、というのが東洋医学のメリットです。

漢方薬は保険治療が可能

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その人独自の病状・体質に合わせた完全なオーダーメイド漢方(漢方医が独自に調剤した煎じ薬)は、病状改善の効果は高いが、費用も高いです。

長く治療を続ける上で、費用が安い、というのは大事なこと。

健康保険が効くツムラやコタローなどのエキス剤で十分効果がある、と私は経験から断言できます。

大切なのは、その人の証(しょう)にぴったり合った漢方薬を処方してもらうこと。

内科・精神科・婦人科クリニックのあまり漢方に詳しくない医師に処方してもらうより、漢方専門ーの医師に処方してもらった方が断然効きます。

よく「漢方薬はしばらく飲まないと効果が表れない」と言いますが、それは違う。

きちんと証(しょう)に合っていれば、数回飲んだだけで効き目が実感できます。

あまり数は多くありませんが、インターネットで漢方クリニックを探してみてください。

医師の経歴をチェックするのをお忘れなく。

漢方専門医関係の資格をもっているとか、中医学専門の病院などで研修を積んだとか、きちんと東洋医学を勉強し、臨床経験がある医師を選ぶことをおすすめします。

中医学(東洋医学)における、めまいの説明

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東洋医学(中医学~ちゅういがく~)では、気(き)・血(けつ)・水(すい)が体内をスムーズに巡ることによって、体が正常に機能する、と考えられています。

ストレスにより気の流れが悪くなると、気の「上にのぼる」という性質上、頭に気が突き上げて、頭痛・めまい・不眠などが起こる。

気が下がらないと、喉がつまる症状(ヒステリー球、梅核気 咽喉頭神経症)を覚えたり、動悸や呼吸困難(過呼吸・パニック障害)などの不調を招く。

中医学では、揺れ動くような症状を「風(ふう)」と呼び、それが体内で起こる場合を「内風(ないふう)」と呼びます。

また、水分の滞りが原因のめまいもある。
中医学用語「水毒」と呼ばれるもので、体内に必要以上に水分がたまってしまうと、吐き気や、むくみや、めまいを招きます。

雨の日に体調が悪くなる、むくみやすい、胃がぽちゃぽちゃする、吐き気がある、めまいがする――など水毒(すいどく)と呼ばれる症状になります。

◇東洋医学(中医学)の用語 簡単解説◇

 

《気(き)》
分かりやすく説明すると「目に見えない、体内を流れる生命エネルギー」のこと。

血液を巡らせる、消化・吸収・排泄を正常に行う、体温を正常に保つ――などの働きがある。

気の流れが体内で停滞したり、頭に上ったり、減少すると、肉体的・精神的な不調が現れます。

 

《血(けつ)》
中医学における血(けつ)は、血管を流れる赤色の液体で、臓腑・器官・組織などに栄養を与え、生命活動を維持する大切なもの。

血が不足してしまうと、冷えたり、めまいが起こったり、爪がもろくて割れやすくなったりする。

精神面にも多大な影響を与える。

 

《内風(ないふう)》
自然界で風が吹くのと同様に、体内でも風が吹く。
体内で風邪が吹き荒れたとき、めまい、ひきつけなどが起こると中医学では言われています。

西洋医学的に言うと、自律神経失調症による交感神経の過緊張。

 

《内湿(ないしつ)》
水分代謝がうまくいかず、体に湿気がたまってしまう。

めまいに効果的な漢方薬

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漢方薬は2~10種ほどの生薬(しょうやく)で構成されています。

薬は「毒」にもなる。
生薬の効果のかたよりを調整し、毒性を抑え、それぞれの薬効を最大限に引き出すように組み立てられています。

めまいといってもいろいろありますが、ここでは単純にめまいに効く漢方薬を挙げてみます。

本当は漢方クリニックで舌の様子や脈の具合を診てもらい、医師から処方してもらうのが一番なのですが、時間がなくて「試しに市販の漢方薬を飲んでみたい」という方の参考になればと思います。

どの漢方薬も「上がった気・停滞した気を下げる」「水分代謝を促し、水毒を解消する」働きがあります。

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

回転性のめまい、胃が悪くて食欲不振があり、舌の苔が白くべったりついている、そんな症状がある人。
低下した胃腸機能を高めて、めまいを改善。

 

・釣藤散(ちょうとうさん)

頭痛が伴うめまい、イライラしがち、のぼせがちな人。
めまい、肩こり、慢性頭痛に効果あり。

 

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

めまい、ふらつき、動悸、尿量減少、ノイローゼ、などの症状がある人。
体に必要以上に水がたまる「水毒」の症状を改善。

 

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

貧血ぎみで動悸、息切れ、足腰の冷え、肩こり、むくみなどの症状がある人。
更年期障害の改善に、よく使用される。

 

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感(ヒステリー球、梅核気 咽喉頭神経症)があり、動悸、めまい、吐き気、不安神経症、神経性胃炎、つわり、などの症状に効果あり。

 

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

不安感を伴うめまい、動揺感、抑うつ気分、動悸、神経が昂ぶって怒りやすい、イライラしやすい、不眠症、などの身体的・神経的な不調がある人に効果あり。

 

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

興奮しやすい、動悸、息切れなどを伴うめまい、脳の興奮からくる不眠、不安感、などの症状がある人向け。
ストレスをとり除き、自律神経を安定させる。

 

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

生理前や生理の前半に気分が悪くなる、シミやアザができやすい、足が冷えるのに頭がのぼせる(冷えのぼせ)などの症状を伴うめまいに適応。

血液循環を促進、血液の流れをスムーズにして、月経痛や月経不順を改善。
更年期障害の改善に、よく使用される。

 

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

交感神経が興奮したことによるイライラ・不安感・不眠症・冷えのぼせ・めまいなどがある人が適応。

イライラやのぼせを鎮め、血行も促進してくれる。
更年期障害の改善に、よく使用される。

 

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